道程
今日バッグの裁断をしている時こんなことを思いました。
線を引いているのにまっすぐ切れないことってありますよね。
慣れていない方は特に難しいようです。
うまくまっすぐに切るにもいくつかコツがあるのです。
まずひとつめ。
布を持ち上げないこと。むしろ手で押さえて切るようにしたほうが良いです。
重ねて裁断する場合布をもちあげると下の布とずれてしまいますので。
ふたつめ。
刃を大きく開けて一気に長い距離を切ること。
ちょこちょこ切っているとギザギザになってしまいます。
みっつめ。
刃を寝かせない。机に対して垂直に立てて切る。
刃が斜めになっていると歪みやすいし、重ねて裁断する場合はこれも下の布とずれてしまいます。
それからよっつめ。これはちょっと難しいんですが・・・。
刃の部分ばかりに意識を集中しないこと。
ゆがまないようにゆがまないようにと刃の部分ばかりを見つめていると、意外にうまく切れないしスピードが出ないのです。
あ、でもこれは直線の場合ですね。
曲線の場合はもちろん線と刃を見つめながら丁寧に刃を動かした方がいいでしょう。
布の端から端まで裁断するような長い直線の場合は、今切っている部分と同時に終着点までを意識しながら切った方がきれいに切れます。
同時に両方見るのは難しいですけどね。
手元4割終着点6割、あるいは手元3割終着点7割くらいのつもりで意識しながら切ります。
こうすると細かいブレが少ないのです。
・・・・切りながらそんなことを考えていて、ふと思いました。
これって人生のようではないですか?
今現在に集中することは大事です。
でも同時に、もっとずっと未来の自分のあり方も一緒に考えることができればその方がずっといい。
こういう自分でありたいという終着点、つまり自分の理想の姿を考えた時、それなら今はどうすべきかという答えが見つけやすいような気がするのです。
しかーし、言うは易し。
かく言う私、目標を決めることが大の苦手でございます。
日々なんとなーく生きていて、常に楽な方楽な方を選択して暮らしております。
明日できることは今日しないなんていうのが座右の銘だったりするし。
(その割に小心者で、たまっている仕事があると休んでても気持ちが落ち着かないんだけど。)
私もはっきりした理想の将来像を持ちたいもんだ。
スパッと切れ味のよいハサミでもって、一日一日をしゃきしゃきっとっブレ無く切ってゆきたいもんです。
君の前に道は無い
君の後ろに道はできる
・・・なんて詩もありましたねえ。
道どころか、周囲が見えないトンネルのような暗闇であっても、出口の明かりがあればまっすぐ歩けるでしょう?
そんな風に生きてゆきたい感じです。